この記事でわかること
- 機能強化型の報酬比較の要点と実務対応
- 各類型の主な要件の要点と実務対応
- 一般から機能強化型を目指すロードマップの要点と実務対応
- 機能強化型4(精神科特化)のチャンスを活かすの要点と実務対応
はじめに:機能強化型は「選ばれるステーション」の証
訪問看護管理療養費の機能強化型は、質の高い訪問看護を提供するステーションを報酬面で優遇する制度です。
2026年改定で機能強化型4(精神科特化)が新設されました。全4類型の要件と、各類型を目指すためのステップを整理します。
機能強化型の報酬比較
機能強化型の報酬比較について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
| 類型 | 月初日 | 月2日目以降 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 機能強化型1 | 13,730円 | 3,000円 | 最上位。大規模ST |
| 機能強化型2 | 10,430円 | 3,000円 | 準大規模 |
| 機能強化型3 | 9,000円 | 3,000円 | 中規模 |
| 機能強化型4(新設) | 9,000円 | 3,000円 | 精神科特化 |
| 一般 | 7,670円 | 3,000円 | 届出なし |
機能強化型1と一般の差は月初日で6,060円/利用者。利用者50名なら月303,000円、年間363万円の差。
各類型の主な要件
各類型の主な要件について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
機能強化型1
| 要件 | 基準 |
|---|---|
| 常勤看護職員数 | 7人以上 |
| 24時間対応体制 | 届出あり |
| ターミナルケアの実績 | 年間20件以上(又は15歳未満の超重症児等3人以上) |
| 重症者の割合 | 利用者の20%以上 |
| 居宅介護支援事業所の設置 | あり(又は特定相談支援事業所) |
| 地域への貢献 | 研修実施、地域住民への情報提供等 |
機能強化型2
| 要件 | 基準 |
|---|---|
| 常勤看護職員数 | 5人以上 |
| 24時間対応体制 | 届出あり |
| ターミナルケアの実績 | 年間10件以上(又は超重症児等2人以上) |
| 重症者の割合 | 利用者の15%以上 |
| 居宅介護支援事業所の設置 | あり(又は特定相談支援事業所) |
機能強化型3
| 要件 | 基準 |
|---|---|
| 常勤看護職員数 | 4人以上 |
| 24時間対応体制 | 届出あり |
| ターミナルケアの実績 | 年間5件以上(又は超重症児等1人以上) |
| 重症者の割合 | 利用者の10%以上 |
機能強化型4(2026年新設・精神科特化)
| 要件 | 基準 |
|---|---|
| 常勤看護職員数 | 4人以上 |
| 24時間対応体制 | 届出あり |
| 精神科訪問看護の実績 | 年間の精神科訪問看護利用者数が一定以上 |
| 精神科医療機関との連携 | 精神科医との定期的な連携体制あり |
| 地域連携の実績 | 精神科訪問看護における多機関連携の実績 |
機能強化型4の意義:精神科訪問看護に注力するステーションが、ターミナルケアの実績がなくても上位区分を取得できる。精神科×D to P with Nに取り組むステーションにとって大きなチャンス。
一般から機能強化型を目指すロードマップ
一般から機能強化型を目指すロードマップについて、実務で押さえるべきポイントを解説します。
Step 1:現状の確認
- 常勤看護職員数
- 24時間対応体制の届出状況
- 過去1年のターミナルケア件数
- 重症者(特別管理加算対象者等)の割合
- 精神科訪問看護の利用者数
Step 2:最も近い類型を特定
| 現状 | 目指すべき類型 |
|---|---|
| 看護師4名、ターミナル5件/年、重症10% | 機能強化型3 |
| 看護師5名、ターミナル10件/年、重症15% | 機能強化型2 |
| 看護師4名、精神科利用者多い | 機能強化型4(新設) |
Step 3:不足要件の充足計画
ターミナルケア実績が足りない場合:
- 看取り対応の方針を明確にし、ケアマネ・病院に周知
- 看取り対応の研修実施、スタッフの不安を軽減
- D to P with Nで看取り期の医師連携を強化 → 在宅看取りの完遂率向上
重症者割合が足りない場合:
- 特別管理加算のスクリーニング強化(対象者の見落とし防止)
- 病院の退院支援部門と連携し、医療依存度の高い利用者の受入を積極化
精神科実績を伸ばしたい場合(機能強化型4):
- 精神科訪問看護の研修受講
- 精神科医との連携構築(D to P with Nの活用)
- 精神科訪問看護指示書の取得ルートを確保
Step 4:届出の提出
- 要件を満たしたら地方厚生局に届出
- 受理後の翌月から上位区分の管理療養費を算定
機能強化型4(精神科特化)のチャンスを活かす
機能強化型4(精神科特化)のチャンスを活かすについて、実務で押さえるべきポイントを解説します。
なぜ機能強化型4が注目なのか
- ターミナルケアの実績が不要:看取りが少ないステーションでも取得可能
- 精神科訪問看護の需要増:精神疾患患者数は増加傾向、参入STは約40%
- D to P with Nとの相性:精神科医不足地域でもオンラインで連携実績を作れる
- 報酬差:一般(7,670円)→機能強化型4(9,000円)で利用者50名なら年間約80万円増
取得に向けたアクション
- 精神科訪問看護の研修受講(看護師1名以上)
- 精神科医との連携協定締結(D to P with Nでのオンライン連携可)
- 精神科利用者の受入開始
- 地域の精神科関連機関との多機関連携会議への参加
- 実績を蓄積し、要件を満たしたら届出
まとめ
| 類型 | 月初日 | キーとなる要件 |
|---|---|---|
| 機能強化型1 | 13,730円 | 看護師7名以上、ターミナル20件/年 |
| 機能強化型2 | 10,430円 | 看護師5名以上、ターミナル10件/年 |
| 機能強化型3 | 9,000円 | 看護師4名以上、ターミナル5件/年 |
| 機能強化型4 | 9,000円 | 看護師4名以上、精神科訪問看護の実績+連携 |
| 一般 | 7,670円 | — |
機能強化型の取得は、報酬面の優位性だけでなく、ステーションの質の証明としてケアマネや病院からの信頼獲得にもつながります。
