この記事でわかること
- トラブル事例と対策の要点と実務対応
- 法的リスクの整理の要点と実務対応
トラブル事例と対策
トラブル事例と対策について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
事例1:トリアージミスによる重症化
状況:夜間コールで「微熱」との家族報告。電話で「翌朝で大丈夫」と判断。翌朝訪問すると肺炎が悪化、救急搬送。
問題点:電話だけでは正確な評価が困難。SpO2や呼吸状態を確認していなかった。
対策:
- トリアージマニュアルの整備(発熱時はSpO2確認を必須に)
- D to P with Nで医師にオンライン相談→映像で呼吸状態を確認
- 判断に迷った場合は「安全側に振る」(出動する)ルール
事例2:出動中の交通事故
状況:深夜3時の緊急出動中、交差点で自動車と接触事故。看護師が軽傷。
対策:
- 深夜の運転ルール(安全速度の厳守、事前のルート確認)
- 自動車保険の適切な加入(業務使用の補償)
- 労災保険の適用を確認
- D to P with Nで「まず電話で医師に相談→出動の要否を判断」するフローにより、不要な出動自体を削減
事例3:個人携帯電話番号の漏洩
状況:オンコール用に看護師の個人携帯を使用。利用者家族が番号を記憶し、日中にも直接連絡するように。
対策:
- オンコール用の法人名義携帯を用意
- 利用者にはステーションの代表番号のみを伝える
- 個人番号の使用を禁止するルール
事例4:看取り期の不適切な救急搬送
状況:看取り方針が確認済みの利用者。夜間に家族がパニックになり119番。搬送先で蘇生処置→本人・家族の意思に反する結果に。
対策:
- 看取り方針の書面確認と家族教育の徹底
- 緊急連絡先を冷蔵庫等の目立つ場所に掲示
- D to P with Nで医師が家族に直接説明→「自然な経過です」の一言で家族が安心
事例5:オンコール当番の連絡漏れ
状況:当番交代を口頭で行い、記録を残さなかった。実際のコール時に「誰が当番かわからない」状態に。
対策:
- 当番表の共有(チャットツール、クラウドカレンダー)
- 交代は書面(チャット可)で記録必須
- 当番開始時に「今日の当番は○○です」の全体連絡
法的リスクの整理
法的リスクの整理について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
| リスク | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| 注意義務違反 | トリアージミスによる重症化→損害賠償 | マニュアル整備、D to P with Nで医師判断を共有 |
| 労災 | 出動中の事故 | 労災保険の適用確認、安全運転ルール |
| 個人情報漏洩 | 携帯番号、利用者情報の漏洩 | 法人名義端末、セキュリティポリシー |
| 労働時間問題 | オンコール待機の未払い | 就業規則の整備、手当の支給 |
まとめ
オンコールのトラブルは「起きてから対応する」のでは遅い。マニュアル整備・法人端末の使用・D to P with Nによる医師連携で、リスクを構造的に低減してください。
