この記事でわかること

  • 電話トリアージの4段階フレームワークの要点と実務対応
  • 電話での情報収集テンプレートの要点と実務対応
  • 症状別トリアージガイドの要点と実務対応
  • D to P with Nとの連携ルールの要点と実務対応
  • マニュアルの運用ルールの要点と実務対応

はじめに:マニュアルがないオンコールは「個人の勘」に依存する

オンコール対応の質は、マニュアルの有無で大きく変わります。マニュアルがなければ、経験の浅い看護師は「とりあえず出動」、ベテランは「電話で様子見」と対応がバラバラに。不要な出動は看護師の疲弊を招き、必要な出動の遅れは利用者の安全を脅かします。


電話トリアージの4段階フレームワーク

電話トリアージの4段階フレームワークについて、実務で押さえるべきポイントを解説します。

レベル判断対応
1生命の危険119番+主治医連絡意識消失、呼吸停止、大量出血、アナフィラキシー
2緊急訪問が必要60分以内に訪問+D to P with Nで医師に相談高熱+意識レベル低下、転倒後の強い疼痛、カテーテル事故抜去
3翌朝の訪問で対応可能電話で助言+翌朝訪問を予約微熱(37.5℃未満)、軽度の便秘、軽い皮膚トラブル
4電話対応で完結助言・安心の提供不安による相談、服薬時間の確認、介護方法の質問

電話での情報収集テンプレート

コールを受けたら、以下の順で情報を収集します。

1. 利用者名の確認
2. 電話をかけてきた人(本人?家族?)
3. いつから症状が出ているか
4. どんな症状か(具体的に)
5. バイタル(測定可能なら):体温、脈拍、SpO2
6. 意識レベル:呼びかけに反応するか
7. 前回訪問時からの変化
8. 家族の対応状況:そばに誰かいるか
9. 利用者の既往歴・現在の治療内容(カルテ確認)

症状別トリアージガイド

症状別トリアージガイドについて、実務で押さえるべきポイントを解説します。

発熱

状態トリアージ
38.5℃以上+意識レベル低下赤〜黄:出動+D to P with N
38.5℃以上+意識清明黄〜緑:状態次第で出動 or 翌朝
37.5〜38.4℃+全身状態良好緑:翌朝訪問
37.5℃未満白:電話助言

転倒

状態トリアージ
頭部打撲+意識障害赤:119番
下肢の変形・強い疼痛黄:出動+D to P with Nで骨折の評価
軽い打撲、自力で起き上がれた緑〜白:翌朝訪問 or 電話助言

呼吸困難

状態トリアージ
SpO2 85%以下 or チアノーゼ赤:119番
SpO2 85〜90%+呼吸促迫黄:出動+D to P with N
軽い息切れ、SpO2 90%以上緑:翌朝訪問

看取り期の状態変化

状態トリアージ
呼吸停止主治医に連絡。看取り方針確認済みなら119番は不要
呼吸パターンの変化黄:出動+D to P with Nで医師に映像共有
家族の不安白〜緑:電話で傾聴。必要ならD to P with Nで医師から説明

D to P with Nとの連携ルール

マニュアルに以下を明記します。

D to P with Nを起動する基準

  • トリアージが黄(出動が必要)で、訪問後に判断に迷う場合
  • 家族が医師の説明を求めている場合
  • 処方変更が必要と考えられる場合
  • 看取り期の状態変化の評価が必要な場合

D to P with Nの接続手順

  1. タブレット(オンコールバッグに常備)を起動
  2. オンライン診療アプリで連携医師に接続
  3. SBAR形式で状態を報告
  4. 医師の指示に基づき対応
  5. 記録を訪問看護記録書に記載

マニュアルの運用ルール

マニュアルの運用ルールについて、実務で押さえるべきポイントを解説します。

ルール詳細
年1回の見直し改定時期に合わせて内容を更新
新人研修への組み込みオリエンテーション期間に必ず研修
ロールプレイの実施月1回、症例を用いたトリアージ練習
コール記録の振り返り月次で「トリアージは適切だったか」を検証

まとめ

トリアージマニュアルは「作って終わり」ではなく「使って磨く」もの。D to P with Nとの連携ルールを組み込むことで、経験の浅い看護師でも安心してオンコール対応ができる体制を構築してください。