【2026年9月20日 追記】令和8年度の診療報酬改定は令和8年6月1日に施行され、訪問看護療養費の別表は全面的に差し替えられています(令和8年厚生労働省告示第74号)。この記事に「改定の見込み」として書かれている内容や、改定前の金額は、現行と異なる場合があります。
この記事でわかること
- 対象患者の要点と実務対応
- 点数(1日につき・訪問看護ステーション)の要点と実務対応
- 算定要件の要点と実務対応
- 該当するステーションの条件の要点と実務対応
- D to P with Nとの組み合わせの要点と実務対応
はじめに:重症患者への頻回訪問が「1日包括」で評価される
2026年改定で、高齢者住まいに併設・隣接する訪問看護ステーションが重症患者に頻回訪問する場合の1日当たり包括療養費が新設されました。従来の「1回ごとの算定」から「1日包括」への転換です。
対象患者
特定の重症患者に限定されます。
| 対象疾患・状態 |
|---|
| 末期がん |
| 多発性硬化症 |
| 重症筋無力症 |
| 人工呼吸器使用者 |
| 在宅麻薬注射管理患者 |
| その他、別表7・別表8に該当する重症患者 |
点数(1日につき・訪問看護ステーション)
点数(1日につき・訪問看護ステーション)について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
| 利用者数 | 60〜90分 | 90分以上 | 90分以上(高水準体制) |
|---|---|---|---|
| 20人未満 | 11,000円 | 14,000円 | 15,500円 |
| 20〜50人未満 | 9,900円 | 13,720円 | 15,190円 |
| 50人以上 | 9,350円 | 13,440円 | — |
日額14,000円×30日=月42万円/利用者。重症患者1名でステーションの収益に大きなインパクト。
算定要件
算定要件について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 施設基準 | 高齢者住まいに併設・隣接するST |
| 訪問回数 | 日中・夜間帯に各1回以上の訪問 |
| 60分以上の場合 | 1日3回以上の訪問 |
| 看護職員の確認 | 1日1回以上の看護職員による状態確認 |
| 24時間体制 | 24時間対応体制の届出が必要 |
該当するステーションの条件
該当するステーションの条件について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
- サービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホーム等に併設・隣接
- 対象となる重症利用者が入居している
- 24時間対応体制が整備済み
多くのステーションは該当しませんが、高齢者住宅併設型の事業モデルを持つ法人にとっては大きな制度変更です。
D to P with Nとの組み合わせ
重症患者への頻回訪問では、D to P with Nの活用が特に有効です。
- 人工呼吸器のトラブル時に医師にオンラインで即座に相談
- 疼痛管理の処方調整をリアルタイムで実施
- 夜間帯の訪問時に医師のバックアップを確保
まとめ
包括型訪問看護療養費は、重症患者への在宅ケアを本格的に評価する画期的な報酬体系です。高齢者住まい併設型のステーションは、算定可能性を早急に確認してください。
出典
この記事で扱う制度・報酬の一次資料です。数値や要件は公開時点のものなので、最新の内容は原典でご確認ください。
- 厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第74号)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665206.pdf
- 厚生労働省「訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第9号)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732114.pdf
