この記事でわかること
- 基本情報の要点と実務対応
- 算定要件の要点と実務対応
- 算定に必要なICT環境の要点と実務対応
- 導入ステップの要点と実務対応
- D to P with Nとの相乗効果の要点と実務対応
はじめに:ICT活用が「加算」になった
2026年改定で新設された訪問看護医療情報連携加算(1,000円/月1回)は、ICTを活用した情報共有体制を評価する加算です。
利用者30名で年間36万円の増収。ICT環境の整備コストを考えても、十分な費用対効果があります。
基本情報
基本情報について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額 | 1,000円/月1回 |
| 対象 | 訪問看護管理療養費を算定している利用者 |
| 算定者 | 訪問看護ステーション |
| 新設時期 | 2026年4月 |
算定要件
算定要件について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
要件1:ICTによる診療情報の記録・活用
ICTで記録された診療情報等を活用し、計画的な管理を実施していること。
具体的には:
- 電子カルテ等のICTシステムで訪問看護記録を管理
- 利用者の診療情報(バイタル、検査結果等)をデジタルで記録
- これらの情報を活用して訪問看護計画を策定・見直し
要件2:電子情報処理組織で常時確認可能
記録した情報が、電子情報処理組織を通じて常時確認可能な体制が整備されていること。
具体的には:
- クラウド型の電子カルテ・記録システムを使用
- 主治医の医療機関とデータを電子的に共有できる仕組み
- 看護師がモバイル端末から利用者情報にアクセス可能
算定に必要なICT環境
算定に必要なICT環境について、実務で押さえるべきポイントを解説します。
| 必要なもの | 例 | 月額コスト目安 |
|---|---|---|
| クラウド型電子カルテ | カイポケ、iBow、カナミック等 | 1〜5万円 |
| タブレット/スマートフォン | iPad、Android等 | 端末代+通信費 |
| 医療機関との情報共有手段 | 電子連携ツール、共有カルテ等 | システムに含まれる場合あり |
収益シミュレーション
| 利用者数 | 加算月額 | 加算年額 | ICTコスト(月) | 年間純増 |
|---|---|---|---|---|
| 20名 | 20,000円 | 240,000円 | 30,000円 | -120,000円 |
| 30名 | 30,000円 | 360,000円 | 30,000円 | 0円 |
| 40名 | 40,000円 | 480,000円 | 30,000円 | +120,000円 |
| 50名 | 50,000円 | 600,000円 | 30,000円 | +240,000円 |
利用者30名以上であれば、ICTコストを加算収入で賄える計算。加算とは別に、業務効率化による残業削減効果も大きい。
導入ステップ
導入ステップについて、実務で押さえるべきポイントを解説します。
- 現在使用している記録システムがクラウド型か確認
- クラウド型でなければ移行を検討(IT補助金の活用も)
- 主治医の医療機関との電子的情報共有手段を構築
- 訪問看護師のモバイルアクセス環境を整備
- 算定開始の届出(必要な場合)
D to P with Nとの相乗効果
訪問看護医療情報連携加算のICT環境は、D to P with Nの基盤にもなります。
- D to P with Nで医師に接続する際、電子カルテのデータをリアルタイムで共有
- 医師の指示内容を即座にカルテに記録
- 複数の加算を同一のICT投資で取得可能
まとめ
訪問看護医療情報連携加算は、「ICTを使っていること」を報酬で評価する新しい加算です。既にクラウド型電子カルテを使用しているステーションは、今すぐ算定開始できる可能性があります。まだ紙ベースのステーションにとっては、ICT化に踏み出す好機です。
